【ICT支援員としての究極の姿】

多分今ICT支援員をメインで仕事にしている人はかなりの割合で女性だと感じます。

この業界にあまり関わりのない方からは「えっ!珍しいですね、女性なのにIT?」と言われます。男性からも女性からも言われます。相変わらず女性はITが苦手だと思われていますね。

しかし、我々が仕事をする際に絶対的に必要なのは、ITの技術をどれだけ深く知っているかなどの専門知識や、電気回路を組んだり、ソフトを開発する技術よりも、その道具を使っていかに効率よく仕事を進めるか、いかに多くの情報を短時間で意味のある形にするか、必要な情報はどこにあってどれが正しいかを見極める、つまり、デバイスやシステムの作成や操作ではなくて、まさに「情報活用能力」とそれを、先生方やこどもたちに的確に伝える「言語力」なのです。ICTの「C」の部分に着目したら、新しいものにどんどんチャレンジしていく、人とコミニュケーションを取る。

現場には助けてくれる仲間もおらず、丸一日すべての課題に一人で立ち向かいます。時には荷物を運んだり、整頓したり、管理しやすい工夫も求められます。体力と強いメンタルも求められる仕事です。

 

初めてスマホを持たせたこどもたちの傾向として、女子はSNSを頻繁に使いますが、男子はゲームやガジェットに走りがち。つまり、ICTにおいて、女性は元々情報活用のツールとしてのスマホに魅力を感じるのではないでしょうか。

だからこそ、ICT支援員に女性が多くなる傾向があります。すごいなと思う支援員さんに女性が多いと感じるのも、単なる人数の比率だけではないと思います。

もちろん、素晴らしい男性支援員さんもたくさんおられます。私の仲間にもすごい男性支援員さんが何人もいますから、職業というものは、究極までいくと、もう性別とかは関係なくなるんだろうと思います。

 

現在の日本では多くのビジネスの現場において、女性は低くみられたり、子育てで物理的なブランクが否めないので、男性の多い業界で仕事をするとき、パートタイム的な仕事に就くイメージが未だ強いです。そうでなければかなりの無理をして辛さを隠して働く女性もまだまだ多いと感じます。でも、もっと働き方って考え方を変えて、もっと柔軟なやり方があっていいと思います。

実はこの仕事は子供のいる方にはとても良い仕事です。その理由は職場が学校だから。これからの子供を育てる現場で、子供を持つ人が辛い仕事なんておかしいと思います。だから私は少なくとも支援員さんたちには、男女問わずお子さんがいるならそちらを優先してもらうようにしていますし、ご本人の健康やご家族の幸せを優先して働いて欲しいと思っています。そのために穴があいたらかつてはピンチヒッターをやってきました。本当はこんな風に支援員同士がネットワークを持ち、お互いを支え合える形を作りたい。

 

少なくともICT支援員が、本当の意味での仕事を始めたら、「要らない」とか「稼げない」とか「不安定」なんて仕事で良いわけがないと思っています。

私たちは、こう言ってはなんですが、専門職ではなく、超総合職とも言えると思います。修理屋で掃除屋、整理屋で、パソコン事務の仕事もできてしまいます。下手すれば絵も描いて音楽もできて、データベースも扱えばプログラミングもできちゃいます。なのに、気が利いてコミニュケーションスキルはピカイチ。もうはっきり言って普通に企業に雇っていただいたら、すごいと思います。なので、支援員さんを経て普通の企業に引き抜かれた人たちもいます。

でも、もしもこの仕事をずっと続けてもらえるなら、最終形態は、業界間のトランスレーターであるべき人材だと思っています。

 

最近はデバイスも修理せずに交換になってしまうことがあります。

裏蓋を開けられない仕様にしてしまって、ユーザーはさわれないようなものもあります。また、システム側も、自動修復などができるようになってきたので、もう我々は修理屋の役割をする必要がだんだん減ってきていると言えます。

また、管理がしやすいとか、手間がかからないとかそんな謳い文句のシステムも増え、支援員さんは要らないと思っている方もいます。

しかし、私たちは、現場にある事実から情報を吸い上げて、各部署に必要な情報を見分け、加工して、翻訳して伝えることと、多くの人とコミニュケーションを取ることで、必要に応じたマッチングをすることができるようになります。まさに情報のハブになれる。そのために必要なのは柔軟な思考力と冷静な判断力。そして豊かな表現力なのだと思います。

教育現場を円滑に回すために情報を効果的に扱える、そんな支援員さんがこれから各校に一人は絶対必要になる。ICT…いや、

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そしてCollaborationを身につけているそんな高度な職業として進化していってほしいと願っています。