それ、どのくらい使いますか?

プログラミング教育が話題になってから、さまざまなロボットやプログラミングできる教材が発表されていますが、電池式と充電式のメリット、デメリットを学校で保管することを想定して判断することは重要なポイントです。

 

充電式は、ケーブルなのかQiiなのか、電池式は乾電池なのかボタン電池なのか、この辺りにもすこし気を配ってみてください。

 

充電式はその内蔵電池の寿命を今一度確認する必要があります。タブレットブームでわいた、5年ほど前、タブレットの充電池が実は2年くらいすると弱ってきて、充電してもケーブルを抜くとすぐに電源が落ちてしまうなんてことが頻繁にありました。その後、電池交換を視野に入れたり、リース期間を3年にしたりなど対策が講じらました。

充電式の電池は交換できるのか?それともその寿命の間使えれば廃棄で良いのか?コストと使う見通しというものを考えましょう。

また充電式の多くはUSBケーブルで充電するものが多く、買った機器の台数だけ電源を確保しなくてはなりません。ケーブルが付属していないものもありますし、多くの電源をUSBでとるには、ハブが必要になります。

最近スマホの充電でもお馴染みの、Qii(チー)は置くだけで充電するのでとても手軽です。いちいちケーブルを抜き差ししなくて良いのですが、充電器は電源を必要とするので、電源タップはたくさん必要になります。専用の充電器を置く場所も必要なので保管場所の確保は忘れずに。

電池式のものは、本体が壊れなければ、かなり長く利用できます。ドライバーで裏を開けないといけないというものは、たしかに面倒です。今すぐ使う人に電池交換が必要になったら急にドライバーなんかないかも…と考えるかもしれませんが、しかし、この不安は裏側に「買ってもその時だけで後々使わなくなる」という経験が隠れています。気付いた時には電池が切れているというのは、毎日のように使っていれば、だんだん動作がおかしくなるので、完全に切れる前に気づくので、起こりづらいはずなのです。

ちなみに、ロボット系は電池が弱くなってくると駆動に異常が出始めます。思ったように曲がらない、速度が出ないなど、動きに違和感を感じたら電池交換すると治ることがしばしばあります。電池を新品でいれてからどのくらいもつのかは、使用頻度に左右されますが、メーカーには確認しておくと良いでしょう。

 

逆に電池を入れっぱなしで放置して、久しぶりに使おうと思ったら電池切れ。このパターンはある意味最悪です。乾電池を入れるタイプのものは、ずっと使わないのに入れっぱなしにすると、何年かして液漏れの心配などがあります。

頻繁に使っていくことが想定できていて、その機器を買うなら、管理も頭に入れておく必要がありますし、管理が出来る方は、電池交換に関してもチェックしています。乾電池で動くものは、いつもフルパワーで動いてもらうためにも、もったいなくても毎年全て電池を交換するなど管理のルールを決めてしまうと良いでしょう。

裏側がビスどめなのは、いたずら防止にもなりますし、すぐに電池が抜けてしまうトラブルや、接触不良にも強いと考えられます。落としたりする可能性があるなら、逆に安心とも言えます。

見栄えが良く、面白い機能がたくさんあったとしても、管理が疎かになると残念なことになりがちです。購入の際は、保管場所、充電方法、管理なども冷静に考えて、お迎えする準備をしてご購入されることをおすすめします。

 

電池の前にもうひとつ。何よりその教材の使い道は何ですか?

何にでも使えるのは夢が広がりますが、高価なものが多いです。そして使う人がデモ以外の使い方を思いつくか?もポイントです。同じことを他のものでもできませんか?

 

授業に使いたいのであれば、まず最初は安価で、目的が絞られているものをひとつだけ買ってみて、一人でやるのではなく、学校内で見てもらって研究してみるのも大切です。

一方クラブなどで使うなら、自由が利くものを与えれば、子供は無限大に使い方を思いつくでしょうけれど、使用頻度が低ければアイデアも浮かびません。どんどん使わせてあげられるものか、それだけの台数を購入できるかなどじっくり考えましょう。

使用頻度があがれば、電池だけでなく、破損も起こりがちです。保証期間や部品はどうやって購入できるのかも要チェックですね。

 

実際に自分が「どんなシーンで」どう使いたいのか、管理は「誰が」するのか、(これが一番大事)今面白くても、バージョンアップや他社の新製品が出たとき、あなたの考える目的にとって、ゆるぎない使い方ができそうか。

目先の派手さや面白さだけで買うのは使い捨てのおもちゃなら良いですが、限られた予算で、効果的な活用を考えるなら、あわてず、授業のベテランの先生も交えて、自腹だから自分のクラスだけが使えばいいとかではなく、同じ学年で話し合う機会をお持ちになるのも大切ではないかと思うのです。

 

派手で楽しいだけで、学習の上で子どもに必要なことが記憶に何も残らないものでないか?子どもに考える余地を与えられるかは、その教材の大切な選択ポイントでもあり、先生ご自身の授業の目的、組み立て方、声のかけ方、評価の仕方にかかっているのではないでしょうか?

 

最後に、さまざまな機器の管理は支援員がいれば、かなり軽減できます。支援員の仕事の中で地味だけどもっとも効果を発揮するのは、機器の管理などの環境整備支援であることをこの機会に見直して、支援員さんがいるのに、そのお仕事をお願いしていないなら、ぜひご相談されることをおすすめします。