プログラミングとICT支援

ちょっと最近刺激的なことが多いので、興奮気味ですが、私の頭の整理をしているので、今更幼稚な話をしているかもしれませんが、そう思ってください。何かがわかるってすごいってことです。

今夜はビスケットファシリテーター交流会に参加してきました。

ビスケットが他のものと違う所をここ最近明確に理解してきたので、自分の頭でちゃんと噛み砕いて、このしくみをやはり伝えたい。

ビスケットはすごい。それは間違いないです。

なぜかというと、「他と仕組みが違う」から。

と、一言で言っても伝わらないかもしれませんが、たったひとつのメガネが全てを受け止めることは、裏側でどんなことが行われているか、考えるだけで、面白くて、だから電車の中でぽちぽち作るのです。(博士、まだうまく言えないのですみません)

「間違えない」でスイミーの事例は出しましたが、あれはあくまで教科に寄せた事例であってあれが「ビスケット」のすべてではないことをもう少し説明したいと切に願います。

そして、また、先日のJAET川崎大会で小学校3年生にどうやってビスケットを取り入れたか、当日の発表だけでなく、一番初めからそこまでの道のりを発表したいと改めて強く感じました。学校での裏舞台を包み隠さず話しても問題ないと思うくらい素晴らしい取り組みでした。

ああいうことにも使える、つまり組むというより、使うという考え方は、他のプログラミング環境でもありますが、どれもができるものばかりではありません。よく、プログラミングの様々なコンテンツは、ドリルタイプと自分で作れるタイプなんて区分けをされていますが、そこじゃないぞ!と今思っています。

自分がもっと咀嚼して、自分の手足により近くなったなら、もっと先生にも寄り添いながら、しかもコンピューティングを説明できるような体感できるようなそんな使い方ができるんじゃないかなとおぼろげながら感じています。私は支援する立場ですから、どれを推すとかできません。その先生がやりたいと思うことを、形にするために手助けをする立場です。だからどんなものが来ても使い方は理解して、そのコンテンツが最大限に生かしてもらえるように知らなくてはいけないと思っています。でも、ここから先、教育現場に携わるなら、わからなきゃいけないことがあると感じるのです。今日も会話をした方の中に、「ビスケットを2〜3回学校でやったことある」という人がいましたが、これだけでプログラミング教育について説明や講演をするのはちょっとまって欲しいとも感じました。私自身ももちろんまだまだ知見が足りないと言われてしまうでしょうけれど、やらなきゃならないなら、理解したいのです。また、ビスケットをやるなら是非ともファシリテーター講習は受けて欲しい。せめて受けたならそのスタイルをまずはそのまま受け継いでやって見て欲しいと思いました。ツールを正しく使うためには、何を教育が目指そうとしているのかを少しずつでもつまづきながらでも知ろうという意識がなくちゃいけない。何度も自分に確認をするけれど、私は常に中立であるために、例えば授業支援システムであれば、それぞれの欠点も知っている必要があるし、バージョンでも変わっていくそれらを盲目に推すようなことはしません。クラウドサービスもそうだし、様々な似たような機能のあるアプリも。

ICT支援員は大量の知識を蓄え続けながら、それらを比較分析し、今ある環境、先生、児童生徒、色んなファクターを加味しながら、それぞれの素材を活かすシーンを想像できる必要があると考えます。そこには、やはり「ICT基礎体力」が必要なのです。ICTの基礎体力っていうのは本当にざっくり言うなら、コンピュータの性質を知っていることに他なりません。まさにコンピュータの得意なことと苦手なことを理解し、人間がやるほうが意味のあることとICTでやるほうに意味があることを常に化学的に考えなくては説得力がないし、そのうちほころびが出ます。

今のプログラミング教育の目的や見ている未来や様々な人の思いが交差する中で、一般の方(つまりこの業界には疎い友達)から聞く話なども同じくフラットに聞いていくたびに、ちょっとずつちょっとずつ腑に落ちていくことがあるのです。まだ上手にいい切れないけれど。

運良く折しも今scratchの体験を絡めて、プログラミング教育について先生方にその意義や目指す未来を話していただく研修を実施しています。その話も聞くたびに私には「あ!そうか!」という発見とともに、自分の頭の中でシナプスがピキピキっと手を繋ぐ感覚をくれました。そういうことを、もっと子供達が体験するにはどうしたらいいのだろう。この「わかる」感じ(正解とか不正解じゃなく、自分の中でパズルがつながる感触)の気持ち良さを体感して欲しいと願うばかりです。

これから先、私たちICT支援をする人間はプログラミングに関わらざるを得ないでしょう。それはもうとっくに感じていたから、いち早く動き始めたのですから。でも、そのほとんどがまだコンテンツの使い方にすぎない。いや、見たことあるだけで、支援員でも実際使ってみた人があまりに少ないのは本当に驚きます。

ICT支援員の問題は根深い。悩んでいることは皆同じなのも見えている。そして突破口は必ずあります。ちょっとずつ自分のやりたいことも、明確になってきたと嬉しくなるのです。