マネージメントをするという事【その1】

数年前に、マネージメントをする立場になって、一番大切と思うのは、知識のネットワークに依存できるようになることだった。

かつて常に「一人アウェー」のシングルプレーヤーだった自分から、それをチームとしてまとめるマネージャーに切り替わる時に一番重要なところでもあったと思う。

 

初めは明確に「知識の依存」と理解できておらず、「知識の共有」止まりだったので、説得力も足らず、反発に論理的に説明ができなかった。しばらくの間は、不遜にも「自分」の知識をシェアすることにばかり執着していたからだ。

それが「知識のネットワークへの依存」まで変化するには数年がかかった。

 

この「知識のネットワークへの依存」を受け入れるには、全員のメンバーそれぞれが、何を持っているのかを理解し合う機会が必要で、それを上手に引き出す方法や、お互いの得意分野に敬意を払いつつ、信頼し、さらに高め合うことをリーダーが知らないと、うまくいかなくなる。

新規の支援員の採用面接をすることがあるのだけど、採用時の質問をする際に、履歴書だけ見てその人の持つ能力を決めつけてしまったり、支援員の仕事に直接関係のある能力しか興味を持たなかったりすると、良い質問ができずに良い人材を逃しがちだ。
なんのために面接をするのか。
特に支援員のような仕事は面接がとても大事で、私はその人の今のスキルよりも、家庭環境、趣味、特技、嗜好そして、所作を見ている。そこから、今後どのように成長できそうか、元々の素養から、どんなプレーヤーになりそうかをはかっていく。

この仕事に来る人は新卒ではまずないので、これまでの経験も大切。

私たちにない知識が眠っているかもしれないからだ。

 

私がするのは最終面接なので、少し残念なのだけど、最終面接はカフェなどで何か食べながらやる。前述の見えないスペックを明らかにするにはこれが一番わかりやすい。

面接時には仕事の説明などはするが、こちらから型にはまった質問はほとんどしない。
食べ物を選ぶ時、その思考パターンを観察したり、食べている時の動きや、おしゃべりの仕方などから性格を読み取ったりもする。
そして、その短時間の雑談で「この人はいい!」と感じた人は、現在ほぼ100%、たった2〜3年で素晴しいメンバーに成長した。
しかし残念なのは、この仕事が安定にないことにより、素晴らしい人材に安定を求めて巣立たれてしまうことだ。そういうことも時々起こる。

学校ICT活用をサポートするという仕事を、これからどのような形に変えていけるのかは、まだわからないが、この仕事を志願する人材にもっとたくさん出会えるように、体制を整えていきたい。そして、見つけた人材が、この仕事について幸せを感じられるような職場にしたいものだ。