子供が好きなものを選ぶということ

私がイラストレーターなので、絵を描く環境が赤ちゃんの頃からふんだんにある我が家だが、一度もどれを使えと言ったことはない。勝手に出して勝手に使って良かった。
(高い紙はしまっておいたけど)
鉛筆、クレヨン、パステル、色鉛筆、ボールペン、コピック、水彩絵の具、道具はスクリーントーンやカラートーンもあった。

ハサミものりもカッターさえも勝手に使えた。

まあ、もちろん使い方としまい方、人に渡す時のマナーなどは教えたが。
長女と次女は三女に比べるとデジタル率がまだ低いが、3人ともここ5〜6年は紙とデジタル両方を頻繁に使っている。
MacBook Airの長女(24)には前のペンタブがもう長年使ってへたって来たので、先日クリスマスにちょっと高いペンタブをプレゼントした。

それを使って自分のチームのゲームのキャラを描き、そのLINEスタンプを売り出した。

 

また、我が家に住んでいるあと二人の子供に

iPad ProとApple Pencil

surfaceと付属のペン

MacBook Proワコムのペンタブ

Windowsワコムのペンタブ

そして様々な紙と画材で囲まれた環境を与えたら(というか、おいてあっただけ)、三女は紙と鉛筆(シャープペンシル)か、iPad ProとApple Pencil(アプリはアイビスペイント)に落ち着き、次女はMacとペンタブ(ソフトはギンプかファイヤアルパカ)かノートとボールペンを常時使うようになった。アナログで描いた絵は、iPhoneのカメラで撮影し、タブレットなどで描いた絵は、スクショかクラウド通してiPhoneからTwitterに投稿しているそうだ。

お絵描き垢は鍵垢だが、とはいえ描いてる最中は目にするので、どんな絵を描いてるかは知っている。
あるグループではお題にしたがって投稿された透過画像をリーダーが再構成して一枚の絵にするという面白い遊びが展開している。
グループの仲間は顔も見たことのない、名前も知らない人ばかりだそうだ。
でもその筋では有名な絵師さんから、共同制作の依頼を受けて、締め切り前の漫画家みたいに夜遅くまで絵を描いている。
朝寝坊して学校にいけないとかは勘弁してくれという約束はしているが、最近夜更かしだ。
描けば描くほど絵はうまくなる。眼を見張るような上達ぶりだ。

20年に渡り自分の子供3人で実験したようなものだけど、子供が自然に選んだデバイスは、確かに私が見ても使いやすい。そして自分でスキルを習得しているので、わからないと使い方を教えてくれる。知り尽くしてるから教えられる。そういう知識を共有しながら私たちは成長するのだ。

学校に仕事で訪問している際、時々子供が入って来て、タブレットの整備をしていると、興味津々でそばをうろつく。先生には色々止められているようで、見せてと言えないから、変なアピールをしてくる。

研修会前の準備だったので誰もいないから、「触ってみる?」といろんなものを10名くらいの子に触らせて見た。実に面白い。たった30分でたくさんのことを見つけ、それに対応していくのが見られた。

例えばタブレットに映った自分が反転していることに気づき、名札が裏返しになっていることを見て、名札の方を鏡文字で書いてきては映し、うまくできるまでやってみたりね。

うーん、こういうのやりたいなぁ。私が見てるから好きに触っていいよっていう時間。どこかでやれないものだろうか。そんなことを最近特によく考えるのだが。