【仲間を募集】GIGAの騒ぎを現場から眺めるICT支援員のホンネを吐き出す

GIGAで賑わう文教業界、ニュースにもなってさすがにICTをスルーしていた先生方もこれから来る混乱と大変革の波を感じておられるようです。

ところで、私のようなまあ現場でジタバタ日々を過ごす支援員さんをサポートしたり、教員研修を担う立場で言わせてもらうと、「GIGAって子供達のためなんでしょう?」と首を傾げることが増えてきました。
すこーし上を見上げて眺めていると、Microsoft Google Apple、それぞれに味方する大人の戦争みたいだなぁと感じております。

まあこれはプログラミング教育以前からあったことですが、特に今回は動くお金が大きいので当然ではあります。

また、それを先導?後押し?あいのり?する方々は、「自分こそが正しい」「ほら自分が言った通りだったろう」「自分こそが影の立役者」という名誉のためなのか、「間違ってたというわけには絶対にいかない」というプライドのためなのか、そういう心根が見え隠れするような動向も多く見られ、「影の立役者」なのにせっせと表にアピールしてる人がまあ多い。

本当に未来の子供達を思って動いている人は一体どのくらいいるのか、いや、いるのかな?と疑ってしまうのです。入れてしまえば名誉は保証され、あーやれやれでしょうけど、GIGAの本番はそのあとですよね。


私(研修コーディネーター兼支援員さんのマネージャー)を含む支援員さんは、各自治体やそこにアドバイスしに行く外部の方々の思惑によって、ごっちゃごちゃになってそれが降りかかってくるので、現場の配備を待つ先生や子供達に一番近いといえます。しかもやっすい賃金で、たった一人で、何もまともな権限が与えられないし、何の責任もないのに、「何とか使ってもらわなきゃ…」というなぞの重圧と、「こんなの使えない」「かえって仕事が増えた」という先生形からの冷たい視線や、「使いたいのに…なんとかして!」「壊れた」「繋がらない」「プログラミング〜…」などという下からの突き上げとに挟まれて、おそらくスタートから1.2年は地獄しかないなと思ってます。

現場に入ってこの地獄にさらされる支援員さんたちほど、純粋にこのことを考えている人たちはいないかもしれません。だからこそ、支援員さんは今こそ一つにならなくてはいけないと思っています。企業の手先でもなく、個人プレーで一人勝ちのチャンスを伺うのでもなく。「GIGAスクール」が災難になるか恩恵になるか。恩恵になるべきだと思うからこそ、ICT支援員にこれをしてください!という明確な業務を国がもっときちんと考えてほしいのです。

※仕事を機械のように一律にしようとか言ってるのではありません。ここ、いつも勘違いされるので、断っておきますが、「現場に寄り添う」という言葉を安易に使わないでほしい。そういう属人的なイメージ戦略は、学校ごとのステレオタイプに合わせるということと勘違いされて、冗長化していくのです。それが今のICT支援員さんの実情です。

 

養護教諭と我々はすこし似ています。やってはいけない、できない業務と隣り合わせだけれど、ちゃんとエスカレーションできるところがあり、しかし、判断力とコミニュケーション能力が問われ、スキルアップとアウトプット、それによって学校が正常に(清浄に)保たれています。

我々の仕事は、これまで数が大して配備されない、なんちゃってICTだった自治体は隙間産業でよかった。むしろやることがなくて雑談に時間を潰してる人もいたかもしれません。

私も学校に行ってもパソコンルームでぽつんと一日中を過ごしたことは何回もあります。

しかし、一方で一人一台を既にやっている私立や特別な学校は、支援員さんはほぼ校内SEであり、本来担うべきでないセキュリティの高い個人情報を当たり前のように任される(扱うではないです)ところに配備されてしまいます。

これも経験があります。これやって良いのかな…と迷いながら学びながら携わり、その時の仲間は結局名前を変えてかなりコアな個人情報を扱う場所に置かれていますが、すごい低賃金です。

 

さらに私立の場合業者の窓口にまでなってるケースがあり、その場合よほどバランスが取れる人でないと困ったことが起きます。そして私立の場合、管理の操作に慣れたその支援員さんを引き抜きにかかるということが頻発しています。もちろん最初よりは多少良い条件で雇われる方もいます。それはそれで本人は良いのかもしれません。私も幸せになってほしいから、個人のことを思えば引き抜かれていくのは悪くはない。けれど、その業務内容に問題があるのです。

セキュリティやネットワークの資格を持ち、多くの経験やスキルを待つ専門的なSEさんが本来いただく金額と支援員の給与は、大きくかけ離れています。そうなると、本来のスキルや考え方、立ち位置を理解して立ち回れる高スキルの方々が、高いからといって値切られたりすればどうでしょう。安い人材に無理を押しつけていき、1人でできるものを安く3人雇っても、かえって仕事の質は下がらないでしょうか?
雇用って、そのスキルが足りない人にも与えるべきという、雇用されたい人に合わせて、仕事の質を下げていくので良いんでしょうか?

AIに仕事を奪われるってあれほど言われているのに、奪われない仕事に、何も与えず無理やりスキルがない人をあてて、何の意味があるのでしょうか。

インシデントって、機械による、ソフトによるもの以外に一番大きいのは人によるものだと思っています。
ちゃんと育てる時間と資金を与えてもらって、高い品質の人材を雇用するべきところに雇用する。配置する。

必要だから、重要だから、自覚を持って守ってほしいことがあるから、それに見合う人をそれに見合う賃金で雇うことが本当は必要なのではないですか?


激安で雇われ、どんどん辞めていく支援員さんと、こうした校内情シス直接雇用の支援員さんとではまったく異なる業務になってしまうため、「ICT支援員」という仕事は各先生の勝手なイメージでその理想像が作られてしまっています。
かく言う私も、何が本当のICT支援員さんの業務なのか分からなくなる時がありますが、それは、我々が本来やらない、「ハードの修理」「仕様変更に伴う大きな改修」「セキュリティに関わる環境設定」「大規模ネットワークの構築」「セキュリティの高い校務システムの構築」などを任せる専門職を各自治体が最低でも一人は配備していることは常識ではないのでしょうか。そして、現地で動けるだけの力と人がいる保守体制にお金をかけるべきではないでしょうか。役所の情シスの方がやるのかもしれません。しかし、役所の動きと、学校には違いがあります。教育を理解していて、スキル的にも信頼できる、そういう方を行政内部に高待遇で置けたら…。

 

そしてもう一つ、修理などに関しても、今はとにかく新しいものがどんどん出ていて、新しい小さな会社が続々と生まれていますが、売る方は自分たちの考え方で物を作ります。

保守を任されるひとたちはそんな各社独自のロジックまではわかりません。プログラムが本当に人によるので、仕組みがわかりづらい。単発で動かしたらうまくいくのかもしれませんが、学校は多くのそう言った、言い方悪いですが「その会社本位のシステム」がわんさか溢れています。互換性なんて無視されていたり、自分の所のソフトが最上位にあって初めて動くようなものもあります。それなら、各社ヘルプデスクをしっかり準備してほしいのです。「Webを見てね」で終わりのサポートなんて悪いけど探すなだけで気絶しそうです。検索かけても出てこないし。

アップデートでどんどん変わっていくOS。

そのために、ソフトウェアもアップデートしないと動かなくなる。ネットワークが不安定になったり、インフラの機器に問題が起きていると、さまざまな障害が発生します。困った時に、使えなくなって不満そうなお顔を直接見るのは誰だと思いますか?私たち支援員です。

電話で文句を言われるよりはるかにきつい。

陰で言われる各社への悪口も、生で聞きます。悪いけどそんなのをエスカレーションする契約はしていませんが、業者のイベントや研修にはそこの信者しか来ません。現場の苦しみを直接共有するのがわれわれなのです。

 

「なんの責任もない」とどこ吹く風でいられるでしょうか。何もできないと「使えない」と陰口を叩かれ、何が必死で対応すれば喜ばれはしますが、原因究明は本当に至難の技です。

かなり裏技必要になったり掟破りも出てくるでしょう。

何もできない苦しみ。それをエスカレーションできるちゃんとした体制と、チームワークなくして、この仕事はなり手がいなくなっていくでしょう。今頃になって「支援員さん50人必要でーす!一人⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎円だよね?」なんて言われて、365日働きづくめの単純計算されて契約されてごらんなさい。いるか!そんな人!生きてるんです。病気もします。家庭もあります。

 

本当に人が足りません。そして、片手間にはできない仕事になります。賃金の保証と、福利厚生と、明確に、何をできるべきか、そのために必要な研修や現場でのトレーニングの時間をください!!

やるべきことは大体把握もしています。伝えたいことが山ほどある。でも時間がない。私と一緒にやろう!と並んで歩いてくださるビジネスパートナーがほとんどいません!助けて欲しいのがホンネです。

 

私の迷いはもっと他にもたくさんあって、ここには書けないまだまだある深い部分、政治的な部分の事情も話し合える仲間になってくださる方を、まじめに集めたいです。

 

ICT支援員さん育成とチームマネジメント専門の会社を起こしたい!今すぐに!

2020年はそのスタートにするつもりです。

もしも、手を貸していただける方がいらっしゃれば、下記にご連絡ください。

 

info@pa-rana.com