ICT支援員の交代における負担について

この時期悩ましいのは、ICT支援員さんの交代。支援員という仕事が仕事を探している人の一時しのぎであることがほとんどで、この仕事で生計を立てられるほどの収入を得るなら、もちろんやり方はあるのだけど、いつでもどこでも誰でも出来るわけではないので、やはり安定職が見つかればあっさり辞められてしまうし、職業の選択はその人の自由だ。同じ支援員の仕事でも、条件は自治体や予算によって変わったり、本当にICT支援員の賃金はおかしいくらいバラバラ。なぜだかも大体わかっているけど本当に酷いもんだと思う。より良い方に行きたいのも仕方ない。

 

ただ、まあ困るのはその人を気に入っていた先生がいたり、特別なことを承っていた場合などだ。人を配置するということはそういうことが大きな課題になりがちだ。

特に現代において、仕事への考え方が非常に軽くなってきているのも感じる。

お金を得るための手段だと割り切っているようなことを言う割りには、その仕事にこだわって、賃金が安いとか生活ができないとか言う。それなら職を変えるほうがよほど早い。でもこの仕事でこんなに頑張ってるんだから今のこの案件で賃金上げろと無理な相談をする人が多い。いかに自分がすごいかを誇示することで、自分の価値を上げようとする動きが非常にあちこちで顕著だが、契約時にそう言う話はしてないのだから、残念ながらこの仕事で賃金を上げるには、数をこなすか条件の良い現場を探すしか現状ないのだ。なのに自分しかできないようにすることを、価値としてしまって、現場を引き継ぎもできないような状態で小難しくしてしまい、結局本人は良いところにあっさり鞍替えしたら残されたところは本当に大変なのだ。

 

ICT支援の仕事っていうのは自分だけの特色を押し付けることではなく、相手にいかにコミットするかである。機器をソフトをバリバリ使える自分を見せつける仕事ではないとはっきり言っておきたい。そしてコミットしながらも、相手の言いなりではなく、ある程度自分の守備範囲内にうまく収まるところに着地できればベストでもある。もちろん多少のチャレンジや背伸びがあるから、スキルも上がるのだけど、目的を見失ってしまっている支援も多くみかけるのは確かだ。

 

さて、ここで、条件の良いICT支援員などあるのか?と思うかもしれないがあなたの「良い条件」とはどう言ったものを求めているのか、金額か、交通の便か、勤務時間の長さか、扱うものの範囲か?そこにいる人か?

逆に、あなたはその良い条件の仕事をこなせるだけのスキルを持ち合わせているか。これからでもスキルアップするモチベーションがあるなど、その仕事に就くためにはその人にも必要な条件があるのだということも忘れてはいけない。あなたの価値はどのくらいか?自慢のスキルがあるとしても、それは、顧客にとって必要な条件を満たしているか?独りよがりの押し付けではないか?この学校教育の世界の先を見据えた時、あなたの支援は本当に現場をあなたを、幸せにしているか?

 

あえて言うならこれからはますます支援員はニーズが出てくる。そういう意味で良い条件の支援員の仕事はすでに「ある」。

しかし、慣れた人が新しく変わることについて、学校現場は非常に抵抗感があるようで、よほど良い人でないと後釜は難しくなる。そう言った意味で特にコミニュケーション能力についてはハードルが高い。

逆に「前の人が良かった」と戻してくれと強く言われたりして、困ってしまうこともある。

なるべくコミニュケーションを重視して、感じのいい人を入れたと思っても、当然前の人よりは慣れていないので、「あの人ニコニコしてるだけで何にもできない」という厳しい指摘がきたりすることもある。本当に悲しい。

でも、管理側はその指摘にも右往左往してはいけない。その支援員さんがまだ足りないところがあるなら、補うのはこちらであって支援員さんに罪を着せるようなマネージャーは失格だと思う。現場からの支援員への評価というのは、とても複雑であるということを知らず、ひとつのクレームで頭に血が上ってしまうようではお話にならないのだ。つまりは声の大きい人が何を求めているかで評価が変わってしまうので、取りまとめをする、支援員さんを配置する側も冷静な評価が必要なのだ。

 

前提として、雇用した時点で、たしかに様々なスキルが足りなすぎるということもあるので、

採用基準というのもこれからもっと見直すべきだが、そもそも条件も良くない上に、短時間で募集しないといけないことが多いので、その場合は本当にどちらもしんどい。そこが実は一番の問題点なのだけど。

 

とはいえ多くのICTが入るようになった学校に対応するには、ある程度のICTスキルも必要で今や一時しのぎでこの仕事に就くレベルの人では務まらないケースが増えてきていることは事実だ。ICTの基礎知識は一朝一夕には手に入らない。これからの仕事でやはり必要なのはコミニュケーションスキル。そして慌てず調べるチカラと彼らを一人にしないバックアップ体制。

ICTスキルはある程度あれば、(この「ある程度」が年々失われつつあり、情報のコンピューターの基礎知識の習得はおそらく日本全体でみても急務だと思う。)からでもなんとかつけていくしかない。この3つが揃わないと支援員という仕事は個人の力量に大きく左右されてしまう。今問題になっている業務範囲については、この「個人差」によるものがほとんどだ。

 

困りごとの解決だけであれば、今後コンピュータの進化によって、ますますソフトのチュートリアル、ヘルプ機能や自動処理が進化すれば、人間による支援は要らなくなってくるかもしれないし、そうであってほしい気もするが、学校はそもそも生身の人間を扱う場所なので、そこがほかの仕事と違うところなのだと思う。

今日のミーティングでは、コミニュケーションスキルを上げるためのコツの話を少しだけした。

ミーティング後、個別でも数名の相談に乗ったが、普段成果もあげているし、上手くやっているように見える人でも、あちこちにコミニュケーションテクニックがあれば解決できる小さな課題を抱えている。

この部分は、一回二回で身につくものではないけれど、知っているか知らないかでは大きな差がでる。キーワードは「質問の仕方」と「観察力」。

一見ぼんやりとしていて、そのノウハウは属人的だと思われがちなコミニュケーションスキルだが、「考え方」と言う意味でははっきりしたセオリーはある。年明けから人が変わってしまうところへ、変わらざるを得ないところへ、コミニュケーションのスキルをあげるためのコツの話は必須だなと思うので、それを軸にスタートアップミーティングを組み立てたい。

 

コミニュケーションスキル研修を受けたいと言うお申込みも増えてきたが、なんと委員会や学校からも要望があるようになったので、この際どこでも頼まれたら行ってみたい。ただ、1回ではちょっと時間が足りない。数日たってから振り返るためにやはりトータル3回はセットでやりたいところでもある。

 

この冬休みはセミナーの中身や資料の再構築になりそうだ。

 

※ちょっと宣伝

ICT支援員の育成におけるコミニュケーションスキルにお困りの方はこちらまでご連絡いたまければご相談にのります。

info@pa-rana.com