リアルな支援員派遣とコーディネーターとしての役割

誰も褒めてはくれないけど、ちょっと自慢をします。

ある私立で支援員さんが派遣で入り始めました。

採用も私が最終決定して、それからずっと私が見てきて「五十嵐組」と言える人です。今までは当然のように困ったら私に連絡すればよかったし、たまに現場に顔を出すこともできました。しかし、今回は「派遣」契約なので、こちらが世話をすることができないということでした。(このへんが難しいので、ご存知ない方は少し調べてみてください。このあたりを理解していないと支援員派遣って本当に様々なので、私的にはここもカバーできる企画を立ち上げています。)

しかし、ここが問題なのです。通常派遣会社はそこの派遣先の仕事はきいていても、どんな設備でどんな運用なのかなど、具体的な情報はほとんど持ち合わせていません。派遣先で一から聞かなくてはならないのです。予想通り、入った時点で彼女にはなんの情報も与えられておらず、初日からLINEがばんばんきましたが、質問をされても私自身もよく知らない案件でしたから、これは困ったなと思いました。

なぜならこの学校では、教員研修も支援員案件もなかったので、私が関わることがなかったからです。(公立でももちろんこういうパターンはありますが、私立とは少し勝手が違います。この話はまた別のブログで。)

派遣会社っていうのは、登録されている人と一対一で話しをしますから、当然私の思惑は関係なく登録者に仕事を斡旋します。今回の案件もそんな感じでした。

しかし、支援員さんにとってはどの仕事も「ICT支援」と書いてありますから、今まで通りだと思いがちです。まさか同じ神奈川なのに私が現場に来ないとは思わなかったようです。

また、ほかの私立中高では、委託なので、私がちょくちょく入ってるんです。そうなると支援員さんへのサポートが違ってきます。手が足りなくても物理的に助けてはあげられないのです。

そこで、派遣会社に連絡をして、いままでのようにサポートできないのか?と聞いてみたところ、基本表立って動いてはダメ。でも、勤務時間内にこれまでのように、困ったら連絡うけてもらって、知恵を授けてもらえたら助かります〜と。ふーん、ちょっと微妙だけど私的にはラッキー。そして、運が良かったのは、導入にはうちの会社が窓口で動いていたことです。

 

そこで、まず支援員さんに現地の保守担当を聞いてみました。

当然県内ですから、思った通り知ってるCEさん、しかももう長くお付き合いのある方だったので、支援員さんとCEさんをつなぎました。

これで機器トラブルなどの時に話がしやすくなります。一応ここでも、CEさんにはこの人がどんなスキルがあってどういう人かを伝え、何か困るようなら私に連絡をくださいと言っておきました。

そして支援員さん側にも、基本技術的な一次的な質問は私に、CEさんに振っていいかどうか判断に迷ったら必ずこちらに聞いてもらうようにしておきました。

そのCEさんは、すぐに今週末に現地に行く用があるというので、支援員さんに会ったら簡単に機器の説明をしてくれるという話になりました。

 

次に、そのCEさんに、現在入っているシステムや、機器の構成などがわかる資料はあるか聞きました。(遠隔サポートのため)

すると、物によってはその方が絡んでいないものがいくつかありました。

そこの担当はだれか聞いてみると、これもまた知っている部署でしたので、今度はそこのリーダー的な方に電話をしました。すると担当は新しく入ったSEさんでした。次の週末にレクチャーしてもらえるという話を伝えたところ、それならその新人SEさんにも同席させようということになりました。

ただ、最初にも言った通り、私はあくまで表に立てません。同じ神奈川だとしても、コーディネーターが絡まない案件に、勝手に首を突っ込めないのです。でももう1人つなげたかったのは導入機器の営業さんでした。なので、これは、派遣会社側にお願いして、「窓口役の営業さんに今度支援員さんが入ったから、先生からお見積もりなどのご相談がたくさんありますので、連絡できるようにしてほしいと伝えてください」とお願いをしました。勝手に動くのはやめてほしい感があったので、そこは仁義を通してみたところ快諾してもらえました。

あとは待つだけでしたが、2番目につなげたSEのリーダーさんが、私もCCに入れて、担当営業さんにこの話を伝えてくださったので、ちょっと焦りましたが、返信に派遣元も入れて、「正式には後ほど派遣元からご連絡があります」と添えてお礼を書きました。

他にも、事前に彼女が触ったことのない校務システムも手伝うことが明記されていたので、そのメーカーの営業さんにコンタクトをとって、サポートと繋げてもらいました。運よく先日の展示会で実機を展示していたので、彼女を連れて行き、画面を見せてもらって操作するところを体験してもらえました。見たことないシステムをいきなり触るのは難しいですから、これで一安心。

そして、今朝営業さんからも直にご連絡いただき、自分も担当を引き継いだばかりだからみておきたいと、同じく週末に訪問が決まりました。

メールの宛先を見ると、関係者が全て入っており、共通の意識としてこの週末のスタートアップをコーディネートすることができました。

これで、通常自治体の支援員委託なら事前に私がやっておく、営業、SE、CE、メーカーと支援員さんのネットワークの構築ができたわけです。あとは、もう少しいくつかのメーカーも掘り出してつなげていきますが、私の仕事のひとつはこの「つなげる」ところです。

もちろんそのためにこれまで色んな人とうまく仲良くやってきたし、この担当営業さんもよくよくみたら別案件でご一緒したことがある方でした。コーディネーターって、こういうことだと思っています。かっこよく表に立つのはコーディネーターじゃない。でも、このために、日頃からいろんな分野の人とつながっていく。色んな所に貢献できるように学ぶことで、自分も恩恵を受けられる関係を作る。

この先も、多分私はこの私立の支援に表立って出ることはないでしょう。もちろんこの支援員さんがとびきり優秀なので、安心してつなげるだけで任せられるのですが。

一度うまく繋げれば、あとは回るはずです。しかし、時々繋がりが悪くなったり、途切れたり、新しい人が関係してきたりするでしょう。そういうときに、そっとまた裏からうまく繋げていく。私の存在自体はうまく回れば回るほど消えていきます。でもそれが本当の存在意義であると考えています。