予定外の出費も計算に入れておこう

タブレットおよびPCの一人一台を実現するなら、堅牢性は考慮しないとほんと壊れるったらありゃしない。ものを丁寧に使うことを教わってる子供がいかに少ないか。家庭教育の重要性は勉強ではなくて、そういう部分だと思う時がある。学校で急に教えても、そもそもものを放り投げる、不安定なところに置く、乱暴に置く、踏む、蹴るなど近頃の子供の様子を見ていると、とにかく「雑」だ。子供のうちはボディコントロールができないから、ものを落としたり、そっと扱うのは難易度が高いけれど、ある程度の教育はできるし、親の所作の真似をする。

そうでないと、今の扱いを見ていると象が踏んでも壊れないタブレットでも作ってもらわないととてもじゃない。

ごく普通のタブレットを導入するなら、せめて柔らかい専用ケースをつけるなどはもう必須だろうと思う。

現在自分の管轄内だけでも多くのタブレットが使われているが、一人一台配布している学校もあれば、学校配備で、1校40台のところや、もっとたくさんあるところもある。学校に配備されたタブレットは子供達が片付けてくれることがあるけれど、優しく持ってきてくれる。支援員のいるところは常に支援員が綺麗にしているので、子供は真似をして綺麗に入れようとしてくれる。

私のところでは支援員さんには学校の機器を気づいたら綺麗にしておくことをお願いしている。

それは保守の意味もあり、掃除一つで故障を防止したり、掃除することで異常に気づくのも早くなるからだ。それにいつも綺麗になっていると使う人も汚くし辛くなり、相乗効果で綺麗が続く。

個人的に支援員に求めるスキルとして、この細やかさがある。故障が少なければ経済的な損害が少ない。

発見が早ければ修理も軽く済む。ケーブルやその他の周辺機器が紛失したり破損していれば、使いたいときに慌てることになる。時間の損失も経済的な損失と同じくらい大きな問題として防止したい。

私の考え方はとにかくお客様に実質的に損をさせないことで、綺麗になってると気持ちがいいとか、そういった気持ちなどの部分はこれらができれば自ずと後からついてくるボーナスだ。

 


それでも、毎日たくさんのクラスで使われるようになると、新品のタブレットでも故障は出やすい。今の故障がそこそこ少ないのは、現在「文教モデル」と呼ばれる、カバーをつけなくても落下に強く防水防塵タイプを使用しているからかもしれない。軽く、小さいので学校の狭い机でも邪魔になりづらい。タブレットの難点は、持ち歩くのに小さい方がいいものの、なにかを作成する活動の場合は画面の小ささが不便に感じることなのだが、それは必要に応じてモニタを繋げて使うという考え方は合理的だなと感じる。(以下の記事も合わせてご覧いただきたい)

https://www.kknews.co.jp/post_ict/20181001_5b

タブレット一人一台環境を授業で日常的に使うことを想定するなら、代替機の確保も必須だ。それも1〜2台ではなく、保守や保険に入っているとしても、学校規模にもよるが、5台以上はないとその場で差し替えられない。

壊れやすい部分ナンバーワンはキーボードの接触部分や、パソコンならヒンジのところ。開け閉めが頻繁なので、痛みは早い。

どんな形でも外付けキーボードが必要になるだろうから、何年も持たせるならそこの破損は想定しておく必要がある。

いずれキーボードは要らなくなるとかいろんな説はあるけれど、社会に出たら世の中会社はまだまだ学校よりはるかに遅れていて、古いデスクトップやノートでしのいでいるところなんてザラだ。

子供が全員最新鋭の機器を配備したかっこいい企業に務めるわけじゃない。キーボードはそうそうなくならないだろう。望んだ仕事場がその配備より他のことに注力していることだって踏まえるなら、「将来どんな職業についたとしても」という学習指導要領にある部分を考えれば、多様なインターフェースに対応できる基礎体力は必要だと思う。

キーボードに関して、Bluetoothはどうかといえば、これも意外と面倒で、充電が必要なものは子供はうっかり忘れがちだ。タブレット自体も個別に持たせると充電忘れが頻発するので、各机に電源がほしいくらいである。

USB接続の外付けキーボードの方がよほど良いかも知れない。iPadならLightningで接続できるものもある。なんにせよすぐ交換できるものがあることがオススメだ。

また、最近はタッチペンがついたモデルがあるが、書き味が良いものはペン先の交換が必要な場合がある。そういった交換が必要な部分はあらかじめ見越して置いた方が良い。

iPadならApple Pencilは替え芯はないけど、本体がその分高価だから比較しづらいし充電もBluetooth接続もいる。

ちなみに、前述のように、タブレットは落下に強いモデルも出ているが、うっかり落とした場合なので、高さは70〜80センチの机から間違って落としたくらいのダメージで、放り投げたり叩きつけたらその限りではない。水にも強いというのも、お風呂などお湯に沈めたらこれもまた保証の限りではないものが多いので、持ち帰ってお風呂でタブレットなんてやめてほしい。

 

今回はタブレット本体の機械的な部分の話だが、続きとして、今度は保守や安定した運用についての話も書きたい。