プログラミング研修の反応の実際

学校でプログラミング教育は広がりを見せてはいるものの、多角形だって回転角が三角形からじゃあ五角形は?と言うと閃かない先生が意外とたくさんいます。そして、研修には参加されても、研修後、居残りで授業でこうやってみたいのだが…などの質問などが出て盛り上がり始めると、アレルギー反応を見せて「あー私にはむり!」と吐き捨てるように離脱するかたもいるのが事実です。これはICT活用研修でもあります。

自分の研修の話をよく書きますが、何回かに1度は数名やる気なさそうに帰る人はいます。

すごい先生方はどうやっているのだろう。私はまだまだ隅々まで心が配れていないのだと思います。

昨日もパソコンが苦手そうな先生が数名おられましたが、そのうち一人は研修が終わり、部屋を出る際に「お疲れ様でした」と言いましたが、目も合わせず上記の発言をしてぷいっと出て行かれました。

そしてもう一人は、居残って自分で教材を作ろうとしていた先生の画面を私と一緒に覗き込みながら、「プログラムはよくわからないけど、これできたらいいわね」とうなずき、「ありがとうございました。ぜひ、もっと教えにきてアイデアを分けてください。今日のお話に出たアイデア集などは出ていないのですか?」とお礼を言われた。

実はこの二人、研修に遅れてきたので出だしに乗れず、フォローしないといけなかったのですが、むり!と言った先生は最初からついて来ようとしている感じはありませんでした。不機嫌な顔で、となりの先生に聞くでもなく、黙っていたので、説明はしましたが、三角を書いたところまでで手は止まってしまいました。そしてもう一方の先生はとなりの若い男性の先生の様子を見て、「●●さん、どこからやればいいの?」などと質問して、追いついてきました。

どんなに準備していっても、必ず「○○先生はできても私はむり!」とか「あとは若い人に任せます〜」とか、そう言うセリフは聞くことが何度もあります。頑張って準備をしても届かない。そんな時は常にアプローチを考え直していますが、未だ時々こう言う反応があります。

今回は教材としての作り方や、ご指導される際につまづく部分をカバーする方法まで話や資料をつけましたが、まるっとそのまま出せば使える教材セットを作っても、すぐやってみる方やそうでない方反応は様々です。

それは先生ごとにやりたい授業が異なるからなのだろうとも思います。

「この単元はこのタイミングでこのプログラミングを取り入れてください」という具体例と委員会や校長先生からの強制がないとすべての先生がプログラミングを授業に取り入れることはやらないでしょう。でも必須なのであれば、どれでもいいから得意な教科からひとつでも取り入れられそうなネタをと思い、scratchもビスケットも多方面の使い方を日々考えています。

 

機嫌が悪かった先生は、まだ30後半くらいの方でした。今日もっと何か別のお悩みがあったのかもしれません。遅れても来てくださったのに、来てよかったと思っていただけなくて残念でした。ただ、希望者居残りのMESHまで参加しておられたので、多分やらなきゃいけない不安はあるのかもしれないと感じました。

本当はそういう方がほかの先生に助けを求めたり、若い得意な先生が、授業の部分でベテランからのアドバイスを仰いだりすることが必要で、プログラミング教材のアイデアは、作ってみたらどこかみんなで使えるところに置いたり、見せ合ったりして、「ここはもっとこうだと使いやすい」とか、「ここでうまくいかなかった」などの意見交換をしてブラッシュアップしましょう、とお話をしたところ、「作ったらお披露目してほかの先生にもみてもらおう」という話にはなりました。

一方的に教えるだけでは、楽しかったでおしまい。その先学校で共有する方法や、授業でさっと始められるような準備の工夫もお話しましたが、それはその学校に入っている環境をみて、例えばこのフォルダに置いて、開かせれば早いとか、授業支援システムで配布して自動起動にするとか。ただし、本当のことを言えば、子供は何回かやらせてみれば、ほとんどの子がファイル操作もソフト起動からログインなどもできてしまうので、やらせないよりやらせた方がいいかなあとは思っています。45分をきっちり使い切りたいために、こどもの操作による時間のロスは省きたい場合は別です。授業を止めない工夫は、そばにいなくても支援できるということも改めて感じました。

そういうアイデア集が欲しいと言われたものの、欲しいのは本だそうなので、まだまだ学校ではネットが不自由だからなのか、紙などのマニュアルがニーズ高いです。

ここへ来て、支援経験のある、教員研修専門で長くやってきた自分だからこそ、やらなきゃいけない研修の具体的なコンテンツというものが見つかったように感じた夏の終わりでした。