こどもはできる

今一番もやもやしてることがあります。

 


先日1日新人支援員さんについて小学校支援をした時、4年生ではじめてタブレットを使うクラスを支援しました。

タブレットのカメラで撮った写真は消えないように設定してありますが、すぐに取り出して見たい、加工したいときに、どこに保存されているのか?という話になり、調べたら少し深い階層にありました。

 


復元のかからないドライブを選び、その中のピクチャ→カメラロールの中にありましたが、ここまで到達するための操作は、エクスプローラ開いて、左側の一覧からドライブ選択→「ピクチャ」ダブルタップ→「カメラロール」ダブルタップです。

 


この操作、これまで現場に導入する際にちょっとでも階層深いと、「そんなんじゃ子供はできないよ💢」とか言われて拒否されてきました。

おそらく「子供が」できないという理由でなんとかして一発で見えるようにするために、さまざまな学校向けアプリには、特別なショートカットや、写真を見るためのすぐみる機能がついているものが多いです。

 


たしかに一部の子は、探す方法がこれまでどこかで出会ったアプリに準じているようで、それっぽい名前のアイコンをタップして見たりして、「あれー?ないなー」と言ってましたが、実際に一度教えると、そのクラスは、特別にリテラシーが高いわけではないのですが、次々に友達に伝えたりきいたりして、あっという間に全部の班で写真のありかをさくっとみつけて、個人フォルダへのコピーも、元データの削除もできてしまったんです。

 


ここで、またあの感覚。もやっとする、あの感覚です。

「こどもはできるよ…?」

「しかも忘れないし、次の時忘れても誰かが覚えてて教えてくれる」

「うっかり操作ミスで削除しても、ゴミ箱にあるから戻せるとわかれば、他の人が使うから、と綺麗にするために、削除をちゃんとしてくれる」

うーん、やっぱりこどもはできるよね??

 


逆に、便利すぎるアプリが、この階層や自分の意思で自分のフォルダに保存する、コピーする、削除するを妨げていると感じてしまうのです。

 


ただ、タブレットが普通教室に来て以来、5.6年は経ちますが、その経験からここは絶対的に言えるのは、

「うまくいったクラス」「良い活用をしているクラス」は

●日頃から一人一台で触っている

●先生がすごくICT得意な人

 


…ではなかったのです。

もちろんすでに一人一台で、めちゃくちゃハイテク整備がされてる、そういう学校とは判断基準が違うのかもしれない。

でも、ICTの整備台数だけでそこまで学力が変わるならとっくに日本はやってなきゃおかしいでしょ。

 


結局その操作をわかりやすく伝えたのは「ICT支援員さん」もしくは「先生」

なので、

○簡潔な言葉で操作を伝えるは必須。

 


そして、何より重要なのは、

◎「学級経営」がうまくいっていること。

 


これまですごくいいな!と感じたクラスは、間違いなく学級が落ち着いていました。そして、「理に叶ったルール」(ここが一番大事!)があり、それをこどもたちが守っていた。デジタル化の前に学級で自分たちがやるべきことが子どもにストンと落ちていた。だから自信をもって自ら動ける。

 

こどもはできる!

できることなら小学校入ったらすぐに、操作を教えてあげたい。

やっては行けないことも早く教えてあげたいのです。

無茶苦茶な試行錯誤は、例えばこども向けプログラミング環境で無茶苦茶をやるなら、そもそも作られた中で無茶苦茶してるのだからそれはコンピュータにとって想定内。永遠に音が鳴り続けようが、無限に数が増えようが、コンピュータの処理の限界がくれば自ずと動かなくなるか、PCの処理の限界や無限ループにはいれば、何もできなくなったりするだけ。

 


それに対して、使い方がわからないマウスやキーボードを物理的にバンバン叩いたり投げたりするのを想定する必要なんてあるのだろうか?

コンピューターに限らず、人も物も全て物理的な破壊は致命的になる。

 

乱暴な破壊は試行錯誤じゃない。

岩を砕くのに叩きつければ破片は飛び散って自分にも跳ね返るように。

逆に分解は別の意味をもつと思う。

なぜ岩を砕きたいのか。砂利にしたい、石垣にしたいなど、目的が明確ならなるべく無駄が出ない崩し方で、なるべく安全に崩す方法を探す。もちろんそこでやってみて飛び散るのは正しい試行錯誤で失敗ではない。考えた上でやってみたら違ったのだからまた考えればいい。

 

「こどもはできる」

ICTに関しても学校はいつのまにかこどもたちのできるを上から蓋をしてしまっています。

やっていいのは想定内のことのみ。

飛び出してしまう子まで自分たちの手の中でなんとかしようとするから無理になる。その子は我々の想像の遥か上をいくのかもしれません。

そうしたら、学校はもっとその子が知るべき一流の世界を見る必要があるのだから、そこと繋げてあげられるネットワークを持つべきで、それは安っぽい癒着ではなく、科学、芸術、スポーツ分野においても学校はいつでも社会の一流にその種になる子供を繋げてあげられるような場所になればいいと思います。

学校の中に無理に押し込めていないでしょうか。

狂気を感じるほどの一流の情熱をもっとこどもたちは感じるべきだと思うのです。

学校は中途半端な社会とつながるのではなく、一流と繋がる必要があると思った次第です。

 

ICT支援員さんを確立する

ICT支援員さんの心得として知ってほしいことは新しいことに尻込みしないこと、そして今ある自分の知識をもっともっと掘り下げることだと思う。大概のことがネットで調べられるようになって、この仕事は格段にやりやすくなった。スマホがなかった時に比べたらもう何百倍もの知識がいつも手の中にある。だから知識は暗記ではなく、「腑に落ちてるか?」だ。

「先生や子供たちにわかる簡単な言葉で話す」という我々の基本は、先生や子供がICTができないという意味じゃない。誰もがわかる共通言語にまで落とすには、専門用語を使うとしても、自分がとことん理解していないと相手には伝わらないってことなのだ。私も全然足りないと思ってる。うっかりすると、「クラウドが〜」とか言ってる中で、「いやまてよ、クラウドって具体的に何?!オンプレミスと何が違うの?オンプレミスは悪いの?良いところは?」(だいたいいつから「おんぷれみす」って言い出したのか?本当カタカナは…)って自分に問いかけたら、「あれ?」と思うことがあったので、調べて、クラウドの3つのサービスについて再認識して、オンプレミスの場合のメリットデメリットも探して、また理解が深まり、それをきっかけに、学校で利用するなら…とまた課題や戦略が明確になる。こんな感じだ。これを別にどこかで喋るわけじゃない。自分の腑に落ちているかを確認する作業だ。

私だからできることなんて本当は要らない。自分以外の人がやってみて効果があり、他の人でもできるトレーニングは、いろんな経験者や、逆に先生方から役に立った支援の具体をもっと集めてこれを言語化して、平準化していきたい。いっそそれができる力がある人がいて、やってくれたなら、もうついていきたい。熱く語るほど伝わらないのは、「それは私じゃなくていい」と思っていることだ。

 

今のところニッチな仕事で儲からないから細々と頑張っているけど、支援員さんになるためにどんなスキルがいるか?と聞かれるので、私が問うとしたらこれかな?というのをどんどん出して共有すると、「私はこんなのも要ると思う」などの意見が他の方から集まって、整理していくことでICT支援員の仕事のベースが見えてこないかなと願っている。

 

支援員さんに私がスキルに関する質問をするなら
普段パソコン何を使ってますか?
スマホを使っていますか?
OfficeはMOS程度の知識をつけてますか?
クラウドサービスを使っていますか?
それをどんな風に使っていますか?例をあげてください。
SNSの利用をしていますか?
どのサービスを使っていますか?
それはあなたにどんな良いことがありますか?
SNSで困ることはありますか?
音楽、体育、美術、技術、家庭科などで、得意な教科はありますか?
趣味はなんですか?
とりあえずこんなところだろうか。

学校に行くにはさまざまな要素が必要だが、学ぶことへの基本があるなら、後付けでもできる。

 

この辺りを雑談の中で見ながらどうやって一緒に働こうか考えている。
でもこれは私の話になってしまうが、その人の目つきをよく見ること、会話の中で実はちょっとした質問をいくつかする時があって、その返しでタイプがわかる時があるので、それに応じたサポートをしようと思っている。

その質問の一つが「あなたが許せない、嫌い、またはできないことはなんですか?」だ。

これを話すことでその人のタイプがわかる。判断した後に本当の判定を本人に伝えることはあまりないけれど結構意味のある質問なのだ。

 

自動化、平準化、システム化は、ロボットを作ることじゃない。それを理解できないと多分いつまでもシステム化はできないと思うのだ。

ICT支援員もなんとかして、システム化したい。そのために、品質向上をしたい。だから明文化しないとダメなのだ。

お互いが自分の考えを明文化して、お互いを認め合って、支援員としての理念を共有して、私自身も軌道修正を繰り返しながら、同じ方向を向いて一緒に歩けたらと心から願っている。

 

 

できない人の先回りをすればもっとできなくなる

チーム学校自体はいいことなんだろうけど、学校がアナログ故にもっと自由な場所だった、そして限定された人たちの場所だった時代の大人が学校に再び踏み込むことは、いろんな意味でとても難しいなと感じることがとても多い。支援員さんの育成をやっているとまさにそれを感じる。

 

支援員さんに必要な知識は果てしない。最新のネットワークサービス、クラウドLTE、新しいソフトウェア、新しいOS、新しいデバイス

変わりゆく教育の考え方、学校の形、海外はどーだこーだ、産業界はどーだこーだ。

新しいものだけでなく、そもそも授業とは?なんて話も出てくる。

多様な人を相手にするから、人権だ、著作権だ、個人情報だとまた難しい。

そうかと思えばトラブルシュートはユーザーレベルのソフトへの対応どころか、ネットワーク障害、セキュリティの問題、SNSから情報モラル…年々「知らんがな」というところまで聞かれてしまう。

 

古い学校の考え方でこの仕事をすると、一番困るのは子供たちへの対応の仕方だったりする。

自分の知識を教え込む、失敗をさせない回り込み。意味のないルールの押し付けなども大人は気をつけないと自分の子にやったことを見直さない。


さて、学校にICTのサポートとして入るために全てを支援員さんに求めるのは無理だと思う。それなら、人間を増やすしかない。

しかし、ICTは一括りにされがち。学校に、特に私立に入ってみるとよーくわかるが、こんなにさまざまなハードやソフトウェア、そしてサービスが出回っていることがまた更に支援員の仕事を困難にしている。

 

「何もできない支援員」「残念な支援員」などと言われる不本意な現象の原因は、もちろん支援員の募集時の問題やその後のトレーニングが貧弱であることや、待遇など、様々な問題が壮絶に渦巻いているのだけど、ただ、ただわかってほしいのは、この原因の一つはその人のスキルの低さや守備範囲の狭さだけが全てではなく、未だなぞの学校限定ソフトに依存する学校ICT界の悪い部分もあることにちょっとだけ目を向けて見てほしい。

 

Officeのように、ある意味もう世界中のビジネスシーンに浸透しつつあるソフトウェアすら、学校は使いこなせていないのに、いや、別に使いこなしているところなんて、企業でもほぼ見たことがない、つまりこのOfficeソフトは、いずれにしても突っ込んだ使い方は一般的に誰も必要としてないんじゃないかとさえ思っている。けど、これがもう20年くらいスタンダードになっている。

 

使いこなせばなんでもできる盛り込みすぎのソフトだけど、実はみんなその一部分を見て都合のいいところだけ使っている。そして同じソフトだから互換性があるので、Googleが似たようなのを出したとはいっても、ある程度互換性を保とうとするのは、つまりOfficeソフトが万能で、みんなが当たり前に使うソフトだということなんだと思う。

 

まるで、目の見えない人数名に、象を触ってもらったら、みんな違う生き物に見えたというのに似ている。みんな自分の都合の良いところだけ使ってるから、例えばみんなが「Excel」と呼ぶそれは、人によって全く違ったソフトになる。

 

学校の先生が日頃やっているお仕事は、実はとてもクリエイティブで、多様性があるので、その作業は、デジタルでやろうとすると、まさに使いこなさないとできない作業だったりする。

しかし、本当はそのソフトには王道があるのに、誰にも教わらずそれぞれが手探りで、自己流で、なんとかデジタル化しようとしているのがなんだかもやっとする。機能はあるのに知らないで時間を無駄にしていると感じることも多い。

Officeがこれだけ広がってるなら(ちなみに便利機能の有無はそれぞれに違うものの、基本はMSもGもさして変わらない。ごく普通に読みやすい文書を書く、計算をする、その基本はどのソフトでも変わらず、準備された効率のよい操作をすれば、作業時間に関しては最短距離もほぼ同じだ)もうちょっと王道の技を、せめて基礎の基礎だけでもちゃんと習って始めたらどうかなと思う。教材も安価に手に入るし、そんなに時間はかからない。

 

そして、これらのコンピュータを使った校務のお仕事や、授業の中でのコンピュータ活用も、属人的な使い方ではいつまでも広がらないし、特定の先生が何か作っても、その学校だけで、先生が異動してしまえば、またわからなくなる。そんな繰り返しではシステム化できないから、もっと簡単にしてあげようと、またお節介にも、現場の動きがわかってるわけではない、もしくはある限定された地域のやり方を参考に、それがまるで世界の常識かと言わんばかりの、仕組みの見えない特殊なソフトウェアをコンピューターに被せて、それを使わせるためにサポートが入るという形がどうしても良いとは思えない。いや、絶対反対したい。つまり、よくある「使えない支援員」というのは、こう言った特殊なものをサポートするだけの人の場合が多い。逆に、こういった特殊なソフトは一般人には触るチャンスも意図もわからないのに、支援しなくちゃならなくなる。悪気はないのに、勝手に「ICT支援員」なんて名前をつけられて、「使えない」なんて言われてかわいそうとしか思えない。

 

ICT活用が自由であるなら、自分なりの使い方をしている先生やら、子供からその人の常識で、質問や依頼が来るのを、全て受け止めて、その人その人に合ったサポートをしなくてはならないってどれだけ大変かわかるだろうか。

いつもみんなに「ごめんね」と思いつつ、たくさん資料を出したって、一朝一夕にわかるわけない。

「ICT支援員」ができるべき業務の範囲やレベルなんて、果てしないし、知らんがな!って言いたくなる質問ばかりが降ってくるのだ。

 

この果てしないなぞの「文教向けソフトウェア」戦争の中で迷惑を被ってるのが先生だし、支援員さんだと思う。そしてひいてはそれが子供たちにも無駄なソフトの使い方を教えて、仕組みなんて分からなくて良いってことになっていないか。そんなソフト社会に出たらどこにもないぞ。コンピューターは進化していても、大元の仕組みは変わってないんだから、知るべきはそのソフトじゃない。

 

プログラミング教育ってそういうのからの脱却じゃないのかな。

ただの消費者にしかならない、使い方の練習から転じて、やりたいことを叶えるために仕組みを理解する学びになっていくのだと思ったのに、相変わらず「これいいよね」と皆が推すのは、そういうものじゃない。相変わらずインスタントが大好き。時間がないっていう呪縛から逃れられない限り、きっと変わらないんだろうな。

 

教材を見比べた時、この道具は、理屈なんて分からなくてよい、つまり忙しい学校での時間をより多くするために使いたいと思って使うならそれはそれでいいと思う。ICTは時間と距離を超える。それはすごいことなのだし。

これまでできなかったことが実現する。これもすごいことだし、それによって学びがより良く変わるならいいと思う。

でも、それと仕組みを知る過程は別だと思ってしまうのだ。

使う側がそこをわかった上で、使わないと、なんのためにプログラミング教育なんてやることにしたのか益々わからなくなってしまいそうな気がする。ICTをスピードアップ、効率アップの道具だとして使うのと、ICTそのものの仕組みを知ることは別建てにするより、一度でわかるほうがいいんじゃないかと思う。

 

一番大切なのは学級が落ち着いていて、子どもが待てる、しっかりと聞ける、聞いたことを理解する。そして実行する。そのための合理的な工夫は必要だが、それはもう幼稚園という社会に入った時点で経験をスタートして欲しいと思う。小学校にあがるより前に、待つ事、聞くこと、そしてやってみる回数を増やすこと。

 

自分でやってみる、失敗する、そういうことは、大人がなんとでもしてあげられる幼児期にこそチャンスを逃してはならないのではないかなと思う次第だ。

あなたは目の前の子供の先回りをしていないか。そしてトライする必要がないところで放置していないか。待てる、聞ける、やってみたい好奇心を潰さずにこれを実現する方法はあるのだ。待てる、聞ける子は学校に上がった後に溢れるような体験をするチャンスを手に入れられるだろう。

大人が先回りして見えなくしていいものと仕組みをゆっくりとしるべきものの選択を間違えないで育てていけたら。そうしたら日本の教育ICTもきっと変わるのではないだろうか。

いつも完璧なんかじゃないから

支援員さんの取りまとめをしてますが、育つチームは、みんながお互いを支援し合える。「支援のスキルはその支援員さんの能力に依存するしかない」という台詞はリーダーなら「逃げ」だと言いたくなる。

お客様の立場からしたら同じ機械が入って同じような頻度で人が来るなら、なるべく同じサービスを受けたいに決まってる。いや、できるならより自分の所を親身に見てほしいと願うだろう。それを「支援は人による」なんて言ってごまかしたくない。

そのためには、私が全員を手取り足取りしていてはダメだし、逆に現場で一人で苦しんで叩き上げになれみたいな放置はもっとダメだ。

自分の100%と思って指示しても、支援員さんの実力がそれを超える時だってある。最高にありがたい瞬間でもある。逆にこの人はついてきていない、音沙汰がない、そんな場合は要注意だ。10人いても20人いても、関わりを持ちたい。その人がそこにいることを私はわかってると示したい。入っていきなりやめてしまう場合は仕方ないけれど、(そもそも、いきなり時間が守れなかったり、嘘をついたり、お客さんにキレるなどする人にも出会って、何度となく打ちひしがれたがこの話は別途)中にちゃんといるのにやさぐれてしまうのは、認められてないからだ。いつも支援員は安いと言ってるけど、お金のことばかりに執着して、必要以上にお金に汚くなっていくのは、この「認める」がないからだと思っている。

もちろん、認めれば安くていいとは言ってない。これについては今後も考え続けたい。

 

今問題に感じているのは、【会社が支援員さんの存在を承認しているのか?】だ。

支援員という仕事を認知しているか、承認しているか、そして支援員になった一人一人を認めているか。今うまくいってないところは、それが足りない。支援員同士で褒めあっても口をこぼしあっても意味ないのだ。多少の慰めにはなるだろうけど、間違いなくいい方向には進まない。リーダーや他のメンバーがお互いに「いいね」をつけるシステムがあるそうだが、それもやや近いと言えばそうだけど、何かちがう。

 

今日も朝から支援員さんと繋がっている自治体のグループに問い合わせがあって、私が即答したものの、勘違いしていて、他の支援員さんが訂正をしてくれた。

私「あらーすみません💦」

質問した支援員さん「いえ、五十嵐さん、○○さん、ありがとうございます!できました!」

私「○○さん、さすがです!ありがとうございます」

答えてくれた○○さん「いえ、よかったです!」「ここに資料ありますよ」「こうやってやりました」

こんなやりとりがあって、○○さんはその情報のありかを「みんな知りたいと思うので」とノートに残してくれる。私がいつも完璧じゃなくても、誰もバカにしたりはしない。(バカにされてませんように…)

いつも誰かが一番じゃないから、自分の知識をそこに提供してみて、違っても「こっちだよ」と訂正できる間柄なのは、お互いを認めているからだと思う。それにみんなが必死だからでもある。

 

支援員のマネジメントで困っているところには、どうやってこのお互いを認める形を作っていくかの話をしているが、多くの管理側はこれができていない。だから揉める。

一つ必ずなくてはならないのはリーダーがものすごく手を動かしてるか、リーダーに情熱と愛情があるかも大切だ。

育つチームは人数に関わらず全員がスキルアップしていく。これをもっと色んなチームに広めたい。

 

支援員が即戦力になるために

タブレット導入して必ず出るのは破損の問題なのですが、今回一番気になってる重要なケースの一つは、導入してまだ1.2ヶ月で破損するケース。

 

学校の地域性にもよるけれど、すぐに大きな破損があったり支援もうまくいかないところは学校に研修などで入るとわかります。

ここ危ないな…と。ただ、すべての学校にまわってみないとチェックはできないので、これを書きながら、支援員さんには初めて訪問時のチェックシートを作っておくと、覚悟ができるかも…。覚悟して臨むのとそうでないのとではかなりダメージも違うと思います。

 


使用率が上がれば当然破損率は上がりますが、それとは別に入ってみると校内の様子を見て肌で感じることが沢山あります。

公立に限らず私立でもわかります。

 

チェックポイントは以下の通り


⚫︎訪問日を伝えてある、学校の要望で決めた日程であるのに、職員が訪問を知らない

⚫︎研修の場合、時間になっても誰も来ない、来ても10分以上遅れてばらばらと集まる、遅れて来てもおしゃべりをしていて特に遅れたという意識がない

⚫︎廊下の掲示物に禁止事項が多い

⚫︎何か子どもにやることを提案すると「うちの子どもにはそれは無理です」というセリフが出る

⚫︎掲示された子供達の作品が破れたり落ちたり、雑然としている

⚫︎各備品の保管状況が悪く誰もありかがわからない

⚫︎あちこちが汚い、ホコリが積もっている

⚫︎外部からの電話応対の声に余裕がなくイライラしている

⚫︎支援員からの連絡や委員会からの連絡を誰も見ていない、聞いていない

⚫︎管理職に日程などを聞いても「それは担当じゃないとわからない」と丸投げしていて、すべて情報担当しか知らない

⚫︎時程表や先生の座席表のコピーが欲しいと言った時に書類がなかなか出てこない

 

支援員は情報担当の補佐ではなく、学校全体のサポートであると思われていないのは、こちらの連絡もまだ足りないのだろうと思うから、それは徐々にわかってもらうしかないのだけど。

事前に研修も全校の代表にしてある場合、伝達研修をしてもらうことになっているはずが、伝達ではなくやっつけで何かやっただけだったり(そもそも集合研修で寝てたりする)すると、「やってあるからやらなくていい」と言って伝わってないことを妙に隠す。時間がないならこちらでもやるのですが、とにかく拒否をするので支援ができない場合があります。

 


全てを拒否する理由が「時間がない」「子供にそれは無理です」この二つが多い。

この二つは「うちにはあなたは要らない」と言われたようなもので、つまりICT機器を使ったとしても、多分調べ学習に使うための端末になり、乱暴に使われてどんどん破損し、汚くなって1年後には放置になるでしょう。


逆に支援が進む学校は、こちらからの伝達事項をよく理解して周知していたり、支援員がやりますよと言ったことまで自主的に検討してスタートしていて、こちらのやることがないくらいのところがあります。

研修も日程をきちんと組んでいて、文房具や欲しい書類も誰に行っても割りとさっと出てくる。データのありかも同様。

 

学校全体に余裕のなさが蔓延しているか、穏やかな空気が流れているかで恐ろしく違ってきますね。当たり前だけど。

 

逆に言えば進んでる学校には、多分慣れない支援員さんのサポートは歯痒かったり足りないことも多いと感じます。そして進まない学校は支援員さんと打ち合わせする時間も取りたくないのだろうと感じます。本当に難しいと思います。

我々が即戦力でなくてはいけないのは、どちらの学校だったとしても同じだなと感じます。ここが一番難しい。即戦力ってなんでしょう。何ができればいいのでしょう。

入ったばかりの人間は正直異物でしかない。その自覚ももって支援に行かなくてはいけないとも思います。

 


最低ラインはなんだろうと考えた時、Officeができることは必須だと思っています。もちろん入ってるソフトも知らないといけないのですが。

Officeの必須項目として

⚪︎Wordは差し込み印刷、タブとインデント、ヘッダーフッター、目次、セクション区切り、段組の扱い。

→文集とか、学級だよりなど体裁を重視する文書が多い

→お便りを個別に出す、ラベルを貼るなどの作業が差し込みで行われていないケースがかなり見受けられ、改善できる

 

⚪︎Excelは関数ならvlookupなどに代表される表引きと文字列操作、セルの選択とコピーや条件付き書式、日付などの表示形式。

→成績表のようなデータベースから欲しいものを引き出し、見やすく表示させる作業が多い。

→予定表の作成でカレンダーなどを作ることも多い


⚪︎パワポは図形の取り扱い全般、画面動画、動画や音の挿入・編集、ハイパーリンク

→提示用教材の作成はとても多く、子供たちが一人一人使うものを作ることも多い。その際に見やすさを重視されるためデザインセンスも必要。

最低でもこのくらいでしょうか。

こうやって書き出していくと、支援員さんに事前にやるべき研修ってだんだん見えて来ますね。

 

年末年始はこのあたりをまとめて一冊資料が作れるといいなと思います。

夢の未来への道を拓く方法

iPadiPad OSになった結果、マウスが使えたり、キーボードショートカットがたくさん増えたり、ファイルがPCライクになったり、外付けのメディアに保存がしやすくなったりと、巷では歓喜の声が聞こえます。

それってつまりは、PCの基本的なリテラシーが高い人にとって、身近になったわけで、iPad特有のファイル操作や、指でのジェスチャーはもちろんできるものの、結局はマウスとキーボードに戻っていくのだろうと感じています。それだけこのインターフェースは他を寄せ付けないということでしょう。

 

そういう意味で今年新たに更新があった自治体に、支援員導入と共に、自分が目指したICTリテラシーの向上を目的とした提案は間違っていなかったと思っています。

今回支援に入っていない、導入研修しか関わらない自治体でも、なるべくこの話をさせてもらいました。頼まれてないけど(笑)

 

プログラミングを教えながら、「できたできた!」と楽しそうにしている先生方に向けて、それが始まるまで残り5ヶ月、こうして子供たちがスムーズに授業を受けられるようにするのに必要なのは、今教えた三角形を描くプログラミングのお手本を真似してブロック組み立てることではないと伝えました。

 

この最後の数ヶ月でやるべきは、

●これまで学校探検以外にはPCルーム立ち入り禁止にしてきた低学年に、1年生からそのお部屋を開放し、1年生から6年生まで、危険がないような取り扱いの基本を教えること。

そして、6年生は1年生に教えられるくらいの取り扱いのスキルをつけ、6年生がルールを決めて運用ができるくらい自分ごとにしてもらうこと

●先生が独り占めにしているモニターや、実物投影機を子供が使える場所に移動して、正しい設置方法で、使いやすくなるよう見直しをすること。

●ICT機器が貸し出しならば、すべてにナンバリングをし、その管理簿を作って必ず記入し、使用頻度を可視化すること。

●サーバーのファイル管理台帳を作成して学校のルールを作り守ること。

●すべての児童に一人一つのアカウントを付与し、キーボードからIDとパスワードを入力することを当たり前にすること。

少なくともこれを徹底することがスタートラインだと思ってやり始めました。

 

支援がないところでも、関わったところで、PCをただiPadだけにしてしまったところには、後からアドバイスをして、キーボードをつけてもらい、なんとか捻り出してくれたご予算で配備できる業者との交渉や橋渡しもしました。

 

私は本来研修講師か、ICT支援員のとりまとめなので、いつも、機器はすでに配備が済んでしまってからのご提案になります。

だから制限は非常に多いですが、一度提案したら、最後まで責任はとるのが私の信条です。だからこそ、コンサルするなら悪い話も全て伝えてできることを見つけていきたいので、「そこにたどり着くルートのない手の届かない未来」を見せることはしたくない。私たちICT支援員は夢のような楽しい未来に道を拓くために知恵を絞るのですから。

 

上記の最低ラインと思っている項目は、具体的にやり方、教える方法、資料のスライド、掲示物のサンプルなどまですべてデータでご提供しました。やるならとことんやりたい。やれば、逆に仕事は減るはずだと思っています。足りないものはどんどん作ってどんどん提供しなくてはダメなのだと思っています。

 

ただ、抱えている問題はすごく多い。

これを成功に導くために絶対必要なことがすべて揃っているとは言い難いのが現実です。多分どこの自治体でも同じでしょう。

それでも、まずはここから整えたいのです。

ICTの基礎知識はなくてもできる効率化がたくさん転がっています。ICTを邪魔なもの、手のかかるもの、時間泥棒と感じる障害物をすべて取り除くにはICT以前の環境整備が不可欠です。

 

数がたくさんはいっても、支援員さんが毎日常駐していても、そこに明確な目標ややり方がない限り学校ICTは変わらない。スタートは重く、辛いこともあるかも知れませんが、走り出せればきっとそこに道が拓けると信じてここからのサポートに全力を尽くしたいのです。

大規模自治体のICTリテラシー向上といずれ来るクラウド利用に挑む

支援員さんがスタートした大規模自治体で、新しいタブレットを初めて使うのに、「初めてのタブレット」というレクチャーを支援員さんにお願いしてありました。

実際「はじめてのパソコンルーム」は私が現場にいたころから、もう10数年やってきましたが、これをやっているところと、そうでないところで、すでに子供たちのPC操作スキルに差が出始めているのがわかっています。

その自治体に支援員さんをうちがいれたのははじめてのことでした。

今回は「タブレット」に変わったので、新たに作ったシナリオもスライドもありましたが、シチュエーションによってきっと色々考えてやらないといけないと思います。

 

それを、本日ある学校でやったそうで、対象は5年生と2年生。うまくいったかなぁと思っていたら、別の学校を担当している支援員さんにその学校の保護者がおりまして、LINEで「娘から今日は、パソコンの授業が一番楽しかったそうです🎶パスワードを入れられたのが嬉しかったみたいで、自分のパスワードってのも良かったようです。お世話になりました!」とみんなにメッセージがきました。個人アカウントをすべての児童に付与して運用することをやることに決めたものの、1.2年生が特に入力に関してどうだったかなと心配していたのですが、自分のパスワードもらえて嬉しかったなんて❣️ずっと低学年からちゃんとした個人アカウント(自動ログオンとかかんたんな名前選択ではなく、一般的なIDとパスワードを入力するもの)を使って欲しくて配布して、本当にスタートから実験的なことが多かったんです。個人アカウント運用は今回の導入で絶対成し遂げたかった私からのご提案でした。すでにやっているところからしたら、「今更?」と思うかもしれませんが、これまでずっと先生も児童もゲストみたいなアカウントを共用していたので、本当にこれができるかどうかが、今後子供達がデジタルの中で生きることができるかを決める大きな分岐点になると思っていたので、ひとりで死ぬほどガッツポーズです!

 

これを今回導入から3年かけて100校以上の学校で全員がやる。すでに、中学では運用ができていたのですが、この3年で中学も更新があるので、トータル200校近い学校の運用を実現する私にとっての大きな勝負の第一歩でした。

 

そしてここから、個人のデータを自分で管理するということを教えていけるよう、さまざまな掲示物や、支援員さんだけでなく先生がご自分でできる、ICTリテラシー向上のためのレッスンを提供していくことを目指して、教材をどんどん作っていく予定です。支援員さんが自ら思いついて作ってくださった掲示物やテキストなどもどんどん自分たちで共有し、委員会の先生には、先生方が見られる校務のサイトにあげてもらえるようになって、なにかが始まる感じがしてワクワクします!

 

iPadChromebookを導入してうまくいかないところが出ています。そこがなぜできないのか?というのもなんとなくわかってきました。子供はなにがきてもできるんです。操作には問題ありません。でも問題は運用です。先生がこの、ブラウザベースとか、クラウドとか、そういうものについてのイメージが持てていないのに、安いからたくさん買えるし、数さえ入れればやるだろうなんて、そんな簡単なことじゃあないということなのです。

 

でも、この大規模な自治体で大きな変革をやり切るのはそう簡単ではないはず。1日1日のつみかさねがいつか実を結ぶまで、失敗やうまくいかないことはきっと多いと思うのですが、支援員の皆さんがいるだけで、隅々まで思いが伝わる可能性がこんなに高まるのだとありがたく思います。

訪問回数がすごく少ないけれど、なんとかしたい!その部分を補いながら、もっと支援員さんが心置きなく活躍できるような環境も作っていきたいと思います。